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「映画で逢える、映画と出会う」災害に耐え残った有形文化財で展開する文化創造プロジェクト
シネマ・デ・アエルプロジェクト 有坂民夫(2019-01-11 12:07:09)

クリックで写真を拡大 このコラムを執筆している2018年の暮れ、IoTや5G、ロボティクスなど、新しい技術に関するキーワードが目立つようになりました。あらゆるものがインターネットにつながる、地方でもこれまでできなかったことが可能となり、課題が解決する。そんな期待もあります。
さて、みなさんは最近「映画」をどこでご覧になりましたか?「やはり映画は映画館で」とおっしゃる方も多いと思いますが、この10年間ほどで映画を観る手段は驚くほど多様になりました。リビンクからも飛び出し、時間と場所を問わず、手の中の小さな端末でも世界中の映画作品にアクセスできる時代が到来しました。
みなさんの街に「映画館」はありますか? かつて「娯楽の王様」と呼ばれた映画、昭和の時代にはちょっとした町には複数の映画館がありました。銀幕を前に心を躍らせた思い出をお持ちの方も多いことでしょう。しかし今、街の映画館はとても稀少な存在となりました。1つの映画館もない県庁所在地もあるそうです。
”街の上映空間”「シネマ・デ・アエル」があるのは、岩手県三陸沿岸部の町「宮古」。本州の東の端に位置するこの小さな町は、美しいリアス式海岸を前に漁業、観光などで知られています。また2011年の東日本大震災をはじめ、有史以来多くの災害に見舞われながらも、多くの人の努力によって暮らしが営まれています。
私たちのプロジェクトは、言わば「オワコン」と揶揄されることもある「街の映画館」を核とした、小さな町の文化創造の取り組みです。いつどこでも見られるコンテンツを、日々市場が縮小する地域でハードの改修とともに提供する。普通に考えれば商売になりえない狂気の沙汰。往年のファンのみなさまに向け「銀幕の復活」とセンチメンタルに呼びかけても、持続しないことは目に見えています。さて、一体どうすれば「映画館」で文化創造ができるのでしょうか。
と、ここまで前段しか書いていないのに残されたスペースがわずかになってしまいました。「気になる方は本編を」という予告編の”掴み”はこの世界の常套手段ですが、そんな冗談はさておき、私たちはこの外部環境こそが実は、都市部から離れた地域で行う「新たな文化事業」を成立させる可能性のひとつと考えています。
この場所で、この瞬間にだけ出会える。効率化の真逆から生まれる共有、体験の価値こそがグランドコンセプトの「映画で逢える、映画と出会う」です。気になる方は是非一度遊びに来てください。
最後にもうひとつ。シネマ・デ・アエルのある商家・東屋さんの蔵は、東日本大震災から遡ることちょうど400年、1611年に発災した慶長三陸地震の甚大な津波災害の後の復興の町として整備された本町(もとまち)にあり、江戸時代後期に建てられ、2011年の津波災害を奇跡的に免れた歴史建築です。
2016年秋のプロジェクトのスタートから2年、2018年秋にはシアターの活動がきっかけのひとつとなり、東日本大震災の後の岩手県沿岸部では初となる、港町中心部の建築物の文化財登録(国有形登録文化財)が決まりました。
映画がまだ産声をあげる前に作られた空間で提供される劇場体験。これも私たちが提供する、ここでしかできない「出会い」のひとつです。

有坂民夫(ありさか たみお)
「シネマ・デ・アエルプロジェクト」プロジェクトマネージャー
東京都出身:1972年生まれ。出版、映像、ゲーム、IT会社等に勤務後起業。地域文化や資源を活用したなりわいづくり、人材育成、起業や事業化支援、持続的な発展のための学びのプログラムなど、地域プロジェクトを各地で手がける。2016年よりシネマ・デ・アエルプロジェクトを開始。

● 参考URL
シネマ・デ・アエルHP:https://cinemadeaeru.wixsite.com/cinema-de-aeru
シネマ・デ・アエルFB:https://www.facebook.com/cinema.de.aeru/

投稿者名(2017/10/28 15:00:00)
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