先住民族アイヌを主題とした日本初の国立博物館「国立アイヌ民族博物館」をはじめとする、アイヌ文化復興・創造の拠点「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が2020年にオープンすることで新たな注目を集める北海道は、都道府県最大の面積を誇ります。 日本全体のカロリーベースの食品自給率が約40%なのに対し、農業と漁業が盛んな北海道の食品自給率は200%を超えており全国一位の食品自給率です(2017年)。郷土料理百選で選定された郷土料理「石狩鍋」の魅力発信を目的に、石狩市内の複数飲食店が「あき味の会」を設立、石狩鍋にまつわる各種イベントが開催されています。観光地では、函館朝市や札幌二条市場などの市場、動物の行動展示で一躍有名になった旭山動物園、旅行会社社員などが決める「にっぽんの温泉100選」で、毎年上位に入る登別や十勝川、湯の川をはじめ温泉地としても有名です。知床は世界自然遺産に認定されています。

ジンギスカン

 羊肉を特製タレに漬けこみ、中央部分が盛り上がった専用のジンギスカン鍋で調理する焼肉です。調理の際、鍋の中央で焼かれる肉から出た肉汁が鍋のふちで焼く野菜の味付けとなります。
 羊肉が入ってきたのは大正時代。北海道では多くの農家が羊毛をとるためにヒツジを飼育していました。役目を終えた羊肉の活用法としてうまれた料理です。
 北海道では休日になると、川沿いでジンギスカンパーティーをする姿がみられます。アレンジとして、味を付けない生肉を焼き、漬けダレで食すこともあります。

石狩鍋

 新鮮なサケの身のぶつ切りと中骨を含めた「あら」を鍋に入れ、キャベツやタマネギ、豆腐などをみそ味で煮込む鍋料理。石狩市を中心に広く伝わります。
 明治時代、サケ漁を終えた漁師たちが自分たちへのご褒美として、船上で食べ始めたのが石狩鍋の原型とされています。石狩地方では縄文時代からサケ漁が行われていたと伝わります。
 現在は全国にその名が知られる石狩鍋。平成20年には石狩市内の飲食店店主らが石狩鍋PRを目的として「あき味の会」を設立し、北海道のサケ食文化を観光客に伝える活動を行っています。

ちゃんちゃん焼き

 鮭やホッケなどの魚、季節の野菜や山菜と一緒に鉄板やホットプレートで蒸し焼きにし、味噌で味付けする料理。北海道の漁師町における名物料理です。味噌をねぎ味噌にしたり、バターベースにしたり、道内でも地域によって様々なアレンジが存在します。
 ちゃんちゃん焼きの名の由来は諸説あり、「ちゃっちゃっ」と作れるからという説や、「ちゃん(お父さん)」が作るからという説などがあります。
 現在も日常食として、各家庭で味付けの工夫がされています。