ホーム日本全国 地域の宝 郷土食×地方創生農山漁村の郷土料理百選東海

 東海地方には有名な特産物や料理があります。お茶で有名な静岡県にはワサビや温州ミカンなど生産量日本一の農産物があります。漁業も盛んで桜エビが唯一水揚げされる駿河湾やカツオ漁で有名な焼津港があります。訪日外国人から人気の富士山は世界文化遺産に認定されています。岐阜県の「清流長良川の鮎」は世界農業遺産に認定。「清流長良川あゆパーク」や1300年以上の歴史がある鵜による鮎の伝統漁法「鵜飼」は観光客から人気があります。ひつまぶしや味噌カツなどを総称した「なごやめし」が有名な愛知県は、キャベツやシソなどの生産量が日本一です(2017年)。三重県には伊勢エビや松阪牛などの有名食材があります。伊勢志摩サミット開催地であり、皇室や朝廷に食材を献上していた「御食つ国(みけつくに)」として知られる志摩市では、伊勢エビなどの海の幸への感謝、豊漁や安全を願う「伊勢えび祭」が毎年6月に開催されます。

桜えびのかき揚げ

 生の桜エビに好みの野菜をまぜあわせて、衣を少なめにしてカラっと揚げたものです。
 静岡県駿河湾は桜エビの国内水揚げ量のすべてを占めます。桜エビの量を減らさないよう、漁は3月下旬から6月上旬と10月下旬から12月の期間で、のべ30日から40日程度に漁期を限っています。
 現在、主な水揚げ港である由比漁港で毎年5月に「由比桜えびまつり」が催されており、数万人の来場者を誇っています。

うなぎの蒲焼き

 ウナギを開いて骨や内臓をとりのぞき、串にさしたものに、しょうゆ、みりん、砂糖、酒などで作られたタレにつけて焼き上げたもの。
 静岡県の浜名湖は明治時代より鰻の養殖地として知られており、「浜名湖のうなぎ」は全国的にも有名。蒲焼きの他にも、タレを付けないで焼く白焼き、うなぎの佃煮、うな丼、うな重など、今では色々な形で日本人に愛されるうなぎ料理です。
 うなぎの焼き方は焼く前に蒸さず香ばしく仕上げる関西風、一度蒸してから焼く柔らかい食感が特徴の関東風などがあります。

栗きんとん

 生栗を皮のままゆで、中身をすくい出して裏ごししたものに、砂糖を用いて味を調えたものを弱火で練り、茶巾で軽く絞った岐阜県の郷土菓子。
 岐阜県では中津川市、恵那(えな)市などの東濃(とうのう)地方を中心に、昔から栗の栽培が盛んで、秋から冬に収穫される栗を用いた栗おこわなどや栗菓子が各家庭に伝わっています。栗きんとんはその中でも江戸時代から素朴なおやつとしての人気が高く、茶会では欠かせないお菓子だったとされます。
 現在も観光のお土産として評判を呼び、地元の栗農家では栗きんとん専用の栗を出荷するなど、品質の向上を図っています。

朴葉みそ

 みそにみりんや日本酒などの調味料、ネギなどの薬味、シイタケなどをまぜ、朴葉(ほおば)にのせて焼く料理。朴葉とは飛騨地方に多く育つホオノキの葉で、香りがよく殺菌作業があることから、料理によく用いられます。
 起源は定かではなく、寒さが厳しい飛騨の冬に、凍った漬物とみそを丈夫な朴葉にのせて囲炉裏で温めたところ、一緒に焼いたみそがとても美味しかったと評判になり、その独特な調理法が広まったと伝わります。
 現在でもご飯にのせたり、焼肉の添え物とするなど、幅広く愛されています。

ひつまぶし

 蒸さずにそのまま焼き上げたウナギの蒲焼を細かく刻んでご飯にのせる料理です。
 鰻を供する飲食店がウナギの切れ端を活用したまかないとして作ったという説が一般的です。
 最初はそのまま食し、次に薬味(ねぎ、刻みのり、わさびなど)をのせて食します。最後に薬味をのせ、お茶や出汁をかけ、さまざまな味わいを楽しむことができます。愛知県は西尾市一色町を中心にウナギの養殖が盛んで全国有数の生産量を誇ります。今や日本各地で愛される名物料理となりました。

味噌煮込みうどん

 かつおだしと名古屋名産の八丁味噌で作った濃い味の汁に、かための太いうどんを入れて煮込んだ料理。具材には、鶏肉、油揚げ、卵、ネギなどが入り、栄養バランスにも優れています。
 味付けの決め手となる八丁味噌は、徳川家康に代表される三河武士が持ち歩いたと伝わる濃厚な味噌。その名は岡崎城から西へ八丁先(約870m)にあった八丁村(現岡崎市八帖町)で盛んに作られたことにちなんでいるようです。
 名古屋では八丁味噌は食生活に欠かせない調味料であり、味噌煮込みうどんの他にも、味噌カツや豆腐田楽などで用いられています。

伊勢うどん

 長時間やわらかく煮た極太のうどんに、たまり醤油やみりんなどをからめ、刻みねぎや七味唐辛子をのせて、かき混ぜながら食します。
 江戸時代以前より、伊勢(現在の三重県)周辺の農民が食べていたうどんをアレンジしたのが伊勢うどんのはじまりと言われています。お伊勢参りの参拝客にうどんを振る舞う店が出てきたことで定着しました。
 現在も家庭の日常食として愛されています。

てこね寿司

 伊勢志摩の郷土料理で、カツオやマグロなどの刺身をしょうゆなどで作ったタレに漬け込み、酢飯とあわせたお寿司。薬味として大葉、ショウガ、のりなどを散らして食します。
 カツオ漁で忙しい漁師が、獲ったカツオをぶつ切りにし、調味料とごはんにまぜあわせて、手でこねて食べたのが発祥といわれています。調理に時間もかからないことから、漁師料理として定着したようです。
 今も宴会の席などで食されています。