食通、水戸黄門も食したとされる江戸っ子垂涎の食材

 あんこう鍋、あん肝、どぶ汁、共酢和えなど様々なあんこう料理が存在する。肝、胃、卵巣、皮、ひれ、えら、身の部位は「あんこうの七つ道具」と呼ばれ、「骨以外はすべて食す」と言われるほど余すところがない。さばきづらいあんこうは、高所に吊るして解体する「吊るし切り」でさばかれる。茨城県の海岸沿いであんこうの水揚げ量が多かったことから、その食文化が根付いた。
 江戸時代、あんこうは江戸っ子垂涎の食材だった。美食家として名高い水戸黄門こと、徳川光圀が食したという説が伝わる。
 2014年、あんこうを使った郷土料理「どぶ汁」発祥地の北茨城市が、震災からの復興とあんこうの魅力発信を目的に「あんこうサミット」を開催。全国各地のあんこう料理や特産品の販売が行われる同サミットは、2020年に6回目の開催を迎える。