天下人に挑んだ四国の覇者、「勝男」を食す

 カツオの表面を炙り、ミョウガやニンニク、ネギなどの薬味をのせて食す。初夏、若葉の頃の上り鰹(初鰹)は香り。秋、下り鰹(戻り鰹)は脂ののり。年2回の旬を楽しめる。
 発祥は漁師料理という説や、衛生面から生食が禁止されていた時代に表面のみを焼いて焼き魚と称して食べたという説がある。その昔、四国の覇者、長宗我部元親がカツオの大漁に遭遇、藁焼きにして食べたという伝説や、出陣の際にカツオを食して武運長久を祈ったという伝説が残る。
 地域によって作り方や薬味が違い、炙ったのち氷水に浸す、冷まして食す、塩で食す、酢と酒で食す、ポン酢をかけるなど食べ方は様々ある。高知県内にはカツオを水揚げする漁港が複数あり、そのうちのひとつ中土佐町久礼では2019年に30回目の開催を迎える「かつお祭」が行われ、かつおのたたきをはじめ様々なかつお料理を食べることが出来る。