ちいきん会特設コーナー

 (取材・構成 プレジデント社地方創生プロジェクトチーム) 

地方初開催となる「第3回 ちいきん会in福島」を記念した特別コンテンツです。

ちいきん会 in 福島 当日詳細情報

~同じ地域で熱い思いをもつ仲間をみつけよう!(上)~

個人の多様な能力を、どう生かすのか

fukushima3_06.jpg北村清士氏
 東邦銀行頭取


日下:とても刺激的なお話でした。今日お集まりいただいた皆さんは、銀行員、自治体職員、それぞれに多様な能力をお持ちです。そうした多様な能力をどう生かすのかという観点で、まず東邦銀行の北村さんに、一言お願いします。


北村:金融機関も従業員の副業が認められるようになり、今年6月から東邦銀行も、兼業・副業を認める制度をつくりました。金融機関にはさまざまな能力や資格を持った職員がたくさんいます。それらの専門的な能力や資格を活用してさまざまな地域貢献のお手伝いができるのではないかと思っています。
 私個人としては、町内会の班長などをしておりますが、地域起こしや担い手が減っている消防団活動に職員ができないかと情報発信をしているところです。これからは組織などの枠組みを離れ、個人として地域や地方創生に関わっていくことが必要になると思います。
















fukushima3_07.jpg ■遠藤俊英氏
  金融庁長官




遠藤:金融庁では組織の力を高めるために、個人の力をどう引き出すかを考えており、心理的安全性を標榜しています。それは何を言っても許される、そういう環境をつくること。上司の顔色を窺うのではなく、思うことを言って、それを上司がむしろ評価する組織になることが重要だと思います。
 実はこれはGoogleがガバナンスの中心に据えている概念です。4年ほど前にはGoogle Japanの話を聞いてショックを受け、行政組織にも必要だと思い導入したものです。
 具体的には、ミッションとして与えられた仕事のほかに、全体の2割は自分のやりたい仕事ができる政策オープンラボの時間をつくっています。今日の司会役の菅野君が担当する地域課題解決支援チームも、この政策オープンラボから生まれたもの。菅野君とその仲間が地域の課題を、その地域に入り込んで解決したいと言ってきた。それに対して金融庁も予算をつけて応援した経緯があるのです。


日下:続きまして、福島県庁の橘さんも、個人としての思いを持って仕事をしていらっしゃると伺いました。お願いします。


:私も今日の司会の脇君と同じように、総務省から福島県庁に出向している身で、企画調整部で地震、津波、原発事故、風評の複合災害からの復興や地方創生に関わる様々な諸課題に取り組んでいます。個人では、2015、2016年に千葉県庁へ出向していたのですが、そのときのつながりから千葉県庁、千葉県内市町村の仲間と一昨年「6時の公共」というNPO法人を立ち上げ、その理事を務めています。自治体職員や地方議会議員、市民等と行政の仕組み等のまちづくりをテーマに学習する膝詰め学習会の場を提供する活動をしています。
 そうした活動を通じて出会った方々からはとてもよい刺激を受けています。大局的、客観的な視点から、自らの本業の仕事を捉えることにも役立ち、自らが果たすべき役割は何かと改めて問い直す意味でも、副業等、地域的な活動は良い効果をもたらしてくれると思います。