ちいきん会特設コーナー

 (取材・構成 プレジデント社地方創生プロジェクトチーム) 

地方初開催となる「第3回 ちいきん会in福島」を記念した特別コンテンツです。

ちいきん会 in 福島 当日詳細情報

~同じ地域で熱い思いをもつ仲間をみつけよう!(下)~

社会の仕組みづくりで福祉・医療の課題克服を


fukushima2_04.jpg HealtheeOne
代表取締役社長CEO
小柳正和氏

 次は福島県いわき市で、デジタルヘルスステックスタートアップをしているHealtheeOne代表取締役CEOの小柳正和氏。テーマは『官民を超えた「社会の仕組みづくり」で福祉・医療の社会課題克服に挑む』である。


小柳:まず福島県いわき市の事例から、紹介しますが、いわき市の問題は医師が足りないこと。全国平均の3分の2ほどです。それに軽症患者による救急車の不適切利用という大きな問題もあります。それに対して、いわき市では医療センターの整備や条例をつくるなどして、地域医療の問題解決を図ろうとしています。


 私はいわき市で生まれ、大学で電気工学を学び、総合商社やベンチャー企業でITビジネスの立ち上げをしましたが、10年前の2009年に父の在宅での看取りを経験。そこで地域医療の現実を目の当たりにし、大震災後にボランティア活動を経て、2015年にHealtheeOneというスタートアップをいわき市で創業しました。

 事業を分かりやすく言えば、地域医療の現場で国家資格を持っている人が、絶対にやらねばならない仕事するために、それ以外の仕事を我々のソフトウエアや仲間たちが代わりに行うことです。目的を達成するために、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進します。


 私は行政や地域の金融機関、他業種の人たちを巻き込み、いわきFCクリニックという医療機関を設立。県外から医師20数名を呼び込み、119番をしなくて済むよう、休日夜間に医師が一次救急を行える取り組みをしています。


 他にも福祉や医療のNPO法人や自治体のプロジェクトチームといわき市内で協働拠点をつくり、仲間たちとともに活動しています。


 デジタルの活用は有効ですが、そもそも課題の克服には社会の仕組みづくりが非常に重要です。私はさまざまな人たちを巻き込んで社会の仕組みづくりや環境づくりの実践もやってしまいましたが、それは本来、地域の金融機関や行政機関の機能を発揮すべきこと。

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題もあり、少子高齢化は急速に進みます。皆さん、ぜひ一緒に課題の克服を進めましょう。