ちいきん会特設コーナー

 (取材・構成 プレジデント社地方創生プロジェクトチーム) 

地方初開催となる「第3回 ちいきん会in福島」を記念した特別コンテンツです。

ちいきん会 in 福島 当日詳細情報

~同じ地域で熱い思いをもつ仲間をみつけよう!(下)~

地域と連携し、交流人口増加へ


fukushima2_05.jpg あぶくま信用金庫
理事長
太田福裕氏

 福島県の沿岸部・浜通りを営業区域とする、あぶくま信用金庫理事長の太田福裕氏は、東日本大震災と原発事故の風評被害と風化の問題を正面から取り上げた。


太田:3165日、これが何を示すか、皆さんお分かりでしょうか。東日本大震災が発生した日から、本日(11月9日)までの日数です。原発事故が発生してからも、3000日以上が経過しました。ですが、いまでも双葉町は全町避難を余儀なくされるなど、復興はまだ道半ばです。一方、時の経過とともに震災の記憶の風化も進んでおります。時が経っても、震災の記憶は忘れてはなりません。毎年、各地で自然災害により、多くの命が犠牲になっております。震災の教訓は生かされているのでしょうか。


 いまでも「fukushima」と画像検索をすると、原発事故の画像ばかりです。このままで風評被害は払拭されるでしょうか。福島には風化と風評という大きな影があります。

 一方、帰還困難区域を除いて面的には除染は完了し、福島イノベーション・コースト構想のもと、新たな産業の育成は着実に進んでいます。震災の教訓を伝承する施設は来年オープン。福島の復興のシンボル、Jヴィレッジは今年4月に全面改装し、来年は聖火リレーがスタートします。福島には国の支援のもと、復興に向けた明るい光があります。この影と光の中で、地域金融機関として、当金庫が地域のためにできることはないかと問いかけ、掲げたミッションがあります。


 それは、多くの人に、いまの福島を知ってもらう、来てもらうこと。

現在、当金庫では連携協定のもとに8つの市町村の首長から、震災発生時から今日まで取り組んだこと、苦労したこと、未来へのメッセージを込めたPVを収録中です。この中には全国各地からの温かいご支援に対する感謝も込められています。この首長メッセージを閲覧できるQRコードを掲載した観光PR誌を製作しています。


 このPR誌には福島県、Jヴィレッジ、東京電力、地域外の関係機関からの写真の提供を受け、さらに官民合同チームの支援により、当地域の新しい取り組みを紹介していく予定です。それらを「学ぶ」をキーワードに、信用金庫業界のネットワークを活用して全国に発信し、風評被害の払拭、風化の防止、交流人口の増加に努めてまいります。