地方創生「連携・交流ひろば」 | 地方創生のノウハウ共有掲示板と実践事例紹介dancyu第2回薬膳dancyu第2回「青山有紀さんの「和の薬膳料理」の提案」2ページ

「食と健康」で地方創生。日本の本物の食を伝えるdancyuが徹底取材。

まずい薬膳、おいしい薬膳。

第二回

青山有紀さんの「和の薬膳料理」の提案

気を補って元気になる! 「猪肉と山の幸の料理」編

近年、全国的に捕獲頭数が増加している猪。農地を荒らすやっかい者ながら、きちんと処理をほどこし、手をかけた猪肉は、ふるふるとした脂身もおいしい注目のジビエである。薬膳の世界では、血を補う”養血”の食材で、体全体を潤す、体力を回復させる、といった効能も。現代的なセンスのよい盛り付けや、土地のストーリーと組み合わせた影響の仕方で、食指をそそるごちそうに。


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猪とくるみのポテトサラダ


「胃にやさしく、腸にもいい、疲れた体を元気にするポテトサラダです。じゃがいもは代謝を上げて、気を補う効能があります。皮ごと蒸すので旨味が増し、消化不良にも効果的。くるみは体を温め、便秘によいもの。きっと猪も食べているであろうふきのとうは、解毒作用があります。重箱に詰めたのは、上五島の『重開き』という風習からです。一般的な桃の節句から1ヵ月遅れの4月3日に、子どもたちは重箱にごちそうを詰めてもらい、海や山でそれをみんなで食べてひな祭りを祝います。ちょっとよそいきのポテトサラダに仕上げました」



材料(2人分)


・じゃがいも 2個(250~300g)
・猪肉(挽き肉でもいい) 70g
・くるみ(ローストしたもの) 20g
・ふきのとう 4個くらい
・粒マスタード 小さじ2
・マヨネーズ 大さじ1~2
・塩 小さじ1/2
・胡椒 適量
・オリーブオイル 小さじ2


(つくり方)

  1. じゃがいもは洗って皮ごと蒸す(大きければ半分に切る)。くるみは荒く刻み、猪肉は細かく切ってから包丁でたたく。
  2. じゃがいもに火が通ったら、熱いうちに皮をむいてボウルに入れてつぶす。
  3. フライパンで油を熱し、猪肉を炒める。完全に色が変わったら、塩を加えてなじませながら炒める。油ごと2のボウルに入れて混ぜる。
  4. くるみ、粒マスタード、マヨネーズ、胡椒を入れて混ぜ、味を見て好みでマヨネーズや塩を足す。
  5. ふきのとうを4分の1の大きさに切って、油(分量外)で素揚げして、塩少々(分量外)を振り、ポテトサラダに乗せる。あれば野草やハーブの花を飾る。


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猪とねぎと筍の柚子胡椒オイル煮


「オリーブオイルで乾燥を防ぎ、猪肉や野菜の旨味も逃しません。乾燥しがちな冬にぴったりの料理です。にんにくは体を温めるうえ、強力な殺菌作用も持ち合わせます。とくに肉と合わせると効果的。ねぎもまた体を温める食材で、発汗を促すとともに邪気を払うともされています。旨味がしみ出たオリーブオイルは、捨ててしまってはもったいありません。濾して、パスタや炒飯、炒め物にも活用できます。早めに使い切ってくださいね」



材料(4人分)


・猪肉 100g
・白ねぎ 1本
・筍 80g
・にんにく 1片
・鷹の爪 2本
・柚子胡椒 小さじ1
・塩 少々
・オリーブオイル 150ml
・木の芽 飾り用にあれば少々


(つくり方)

  1. 猪肉は一口大に切り、全体に塩少々をふる。白ねぎは長さ5cm、たけのこは厚さ5~8mmに切る。にんにくはみじん切りにする。
  2. 耐熱の器にオリーブオイル大さじ2と、にんにくを入れて火にかける。
  3. 香ばしい香りが立ち、にんにくがうっすら色づいてきたら、残りのオリーブオイルを入れ、鷹の爪、猪肉、筍も加える。肉の色が完全に変わったら、ねぎと柚子胡椒を入れ、ねぎがとろりと柔らかくなるまで煮る。あれば木の芽を飾る。


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猪とごぼう、せり、山芋のお鍋


「気を補って元気になる猪肉のよさと、肉の旨味が余すところなく味わえる鍋料理。体が温まり、体力もつき免疫力も上がります。ポイントは、”山薬”ともいわれる山芋と合わせること。滋養強壮食材で、胃腸や肺を丈夫にし、美容にも効果があります。猪肉とからめると、するっと食べやすく、味わいも格別です。野菜類に、デトックス効果のある牛蒡、水分を排出してくれるせり、気を補う舞茸、体を潤わせる蓮根、体を温める山椒が入り、不要なものを出して、必要な養分を取り入れます。締めは名産の五島うどんを」



材料(4人分)


・猪肉 鍋用スライス 適量
・牛蒡 1本
・せり 1束
・舞茸 1パック
・蓮根 15cmほど
・山芋 1/2本
・餅しゃぶ 適量(なくても可)
・五島うどん 適量
・だし(あご、昆布) 2ℓ
・生姜(薄切り) 3枚
・山椒 適量
A
  酒 50ml
  醤油 70ml
  みりん 30ml


(つくり方)

  1. 牛蒡はささがきにして、さっとゆでてザルにあげる。せりは根をしっかり洗い、長さ7cmに切る。蓮根はごく薄切りにして酢水(分量外)にさらし、ザルにあげる。猪肉は食べやすい大きさに切る。舞茸は食べやすくばらし、山芋はすりおろす。うどんはゆでて冷水でしめる。
  2. 土鍋にだし1.5ℓを入れ(500mlは残す)、火にかける。温まったらAと生姜を入れ、猪肉と牛蒡を加えて柔らかくなるまで煮る。他の野菜も入れ、味を見て好みで醤油を足す。
  3. とろろを鍋に数カ所に分けて入れ、蓋をして一煮立ちさせる。器によそい、山椒をかけていただく。肉や野菜、餅を鍋に足しながら食べ、煮詰まってきたら残しておいただしを足す。
  4. 締めにうどんを入れる。山芋が残っていたら鍋に加えて一煮立ちさせ、うどんにからめて食べてもおいしい。


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