ホームdancyu第1回薬膳dancyu第1回「世界が注目する日本の薬草酒」1ページ

「食と健康」で地方創生。日本の本物の食を伝えるdancyuが徹底取材。

まずい薬膳、おいしい薬膳。

第一回

世界が注目する「日本の薬草酒」

東京都新宿に、薬草や野草を使ったカクテルで注目され、世界各国から客がやってくるバーがある。かたや、鹿児島県頴娃町(えいちょう)には、国内初、自家栽培のニガヨモギで薬草酒「アブサン」を造る蔵元がいる。いずれもキーワードは「薬草」と「酒」。その二つを合わせることで、独創的な世界を創り出し、唯一無二の価値を築き上げている。


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バー「BenFiddich」の薬草酒カクテルと薬草酒づくり

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東京・新宿にあるバー「BenFiddich」には、連夜、海外から多くの客がやって来る。客全員が外国人、ということも少なくない。イギリスの老舗出版社、ウィリアム・リード・ビジネス・メディア社が選ぶ優れたバー50軒「The World‘s 50 Best Bars 2018」に見事ランクインし、世界からも注目されるバーなのである。
日本人バーテンダーらしい繊細で高い技術力もさることながら、客を魅了するのは薬草や野草を多用した独創的なカクテル。しかもその多くは、オーナーバーテンダーの鹿山博康さん自ら、埼玉県ときがわ町にある実家の畑で育てたり、所有する山で採取してきたりしたもの。


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薬草や野草は、ときにすり鉢とすりこぎ棒ですりおろし、そしてときにスピリッツに漬け込んで、と多様な手法でカクテルに用いられる。季節や彼の閃きにより、カクテルのレシピは自由自在。客の気分や体調による味のリクエストにも応えてくれる。さっそく、この季節に楽しめるカクテル3種をつくってもらった。


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いきなり、意表をつく一杯が登場した。カクテル名は、“ニオイヒバとレモンバームのカクテル エノクログサの香りを添えて”。針葉樹のニオイヒバの漬け込み酒にジン、蜂蜜、レモンバーム、ライムを加え、シェイクしたものだ。鹿山さんいわく、「飲むときに、猫じゃらし(エノクログサ)が鼻をくすぐるのがポイントです。童心を思い出しながら、森の香りを感じてください」。


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続いて差し出されたのは、“ゲンチアナとニガヨモギのカクテル”。ゲンチアナはリンドウ科の植物のことで、その根を漬け込んだスピリッツをベースにする。
「ゲンチアナもアブサンも胃腸強壮作用があるといわれています。“スーパー健胃剤”カクテルなんて言えると思います。ホルモンなど脂の多い食事の後などにいかがでしょうか」。 一口飲んでみると、とても苦い! でも甘味のバランスも香りの清涼感もある。アルコール度数が高く、消化を促す食後酒としてよさそうだ。


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そして、最後は”黒文字の漬け込み酒と榊(さかき)の実のカクテル”を。黒文字は楊枝にも使われる木で、香りがよく殺菌作用もあるという。その漬け込み酒と、故郷と同じ埼玉県で造られるウイスキー”イチローズモルト”、日本酒の”獺祭”を合わせてステアしたもので、榊の実の軽い渋味がきいている。


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